灯台守のノート、あるいは海辺の二十四節気
岬の灯台で働く青年が、一年を通じて海と町の変化を書き留める記録。季節の移ろいの中で、失った家族との距離を測り直していく。
第一節 立春 灯台の窓は朝一番に潮の膜をまとう。拭っても昼にはまた曇る。 同じ作業を続けているのに、海の色だけは同じ日がひとつもない。 第二節 啓蟄 町のパン屋が六時に煙を上げると、風向き次第で岬にも匂いが届く。 母は昔、匂いには地図がある...
岬の灯台で働く青年が、一年を通じて海と町の変化を書き留める記録。季節の移ろいの中で、失った家族との距離を測り直していく。
第一節 立春 灯台の窓は朝一番に潮の膜をまとう。拭っても昼にはまた曇る。 同じ作業を続けているのに、海の色だけは同じ日がひとつもない。 第二節 啓蟄 町のパン屋が六時に煙を上げると、風向き次第で岬にも匂いが届く。 母は昔、匂いには地図がある...
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